ヒビノログ

個人的なメモを淡々と記録していくブログ。最近はLaravelやスマートフォンの話題など。

アジャイルサムライ

アジャイル」にプロジェクトを進めるにあたって必要になる内容が俯瞰的にまとまっていて、一度でなく折に触れて読み返したい作品。

この書籍の特徴として、「アジャイルな方向づけ」「アジャイルな計画づくり」「アジャイルなプロジェクト運営」といった、実際の開発(プログラミングやテスト)を行う以前の準備の話にページが割かれている。システム開発(だけの話でもないかもしれないけど)の現場で、開発初期の段階から雲行きの怪しいプロジェクトというのはなんとなくわかるもので、残念ながらその予感が現実になってしまうことはとても多い。そしてそれはプロジェクトの立ち上げのときに、関係者の間で意思の疎通が取れていなかったり、営業がものすごく"盛った"提案をして顧客が過度な期待や幻想を抱いていたり、その割に工数やスケジュールやリソースが限られた状態でスタートしたりと、いろいろな要因があると思う。なので、そのようなページ構成になるのはとても自然なことだと感じる。

特に、プロジェクトを始める際に発注者と受注側が集まり、そのプロジェクトの価値について共通認識をし、優先順位や諦めることを決め、そしてはっきりしていないことを明らかにする、という「インセプションデッキ」についてはかなり具体的にやり方が記載されていて、非常に参考になる。

テンプレートがこちらのサイトにある。 https://github.com/agile-samurai-ja

その他にも見積もりの方法や計画の立て方、そして開発の進め方(リファクタリングやTDD、CIまで)までの内容が網羅されている。「これ以上の内容についてはこれを見てね」と関連サイトや書籍も紹介されていて、さらに深く知るためのリンクも用意されているし、さながらアジャイル羅針盤のような、インターネット時代の書籍らしい構成になっていると思う。「アジャイル」と名のつく情報や書籍はどんどん増え続けているので、こういう書籍の存在は貴重。

そして本書は、何か特定の手法を押し付けたりするものではない。最後の方に、「アジャイルであるかなんて気にしない」という章がある。

肝に銘じてほしい。アジャイルで「あること」なんてどうでもいいんだ。大切なのは素晴らしいプロダクトを作ることと、それを君のお客さんにちゃんと届けることなんだ。

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